バクロフェン
バクロフェン
筋肉の痙縮に髄腔内治療。
使用薬品は、ギャバロン錠剤と髄注またはリオレサール錠があるので使用法については参考にされたい。以下それらをバクロフェンと言う。
筋肉の収縮による痛みも強く、緊張を緩める筋弛緩(しかん)剤を飲む従来の治療法は効果がない場合の選択肢の一つで、ポンプ植え込み型薬剤注入法「髄腔内バクロフェン療法」と呼ばれる。腹部に埋め込んだポンプから、微量の筋弛緩剤を脊髄の周囲に直接、持続的に送り込む方法である。
足や手、指などが筋肉の過度の緊張によって内側や外側にねじれたり、曲がったりする状態は、痙縮(けいしゅく)と呼ばれる。脳性マヒや脳卒中などの病気や、各種疾患による痙性麻痺(ただし,脊髄炎・脊髄症,スモン,脳卒中後遺症,椎間板ヘルニア,腰痛症等には適応されない)、事故による脊髄損傷などをきっかけに、筋肉を動かす脊髄からの信号に狂いが生じて起こる。
治療法はこれまで、筋弛緩剤を飲む方法が一般的だった。しかし、口から飲んだ薬は脳や脊髄に届きにくく、重度の痙縮には十分な効果が得られなかった。
これに対し、髄腔内バクロフェン療法は、腹部に入れた直径約8センチ、厚さ約2センチのポンプから、1日0・1cc前後の筋弛緩剤「バクロフェン」を、脊髄が通っている背骨の中の髄腔に直接注入する。口から飲む方法よりも、少ない投与量で効果が高く、眠気やふらつき、頭痛などの副作用を減らせる利点もある。
この方法は、欧米では15年以上前に導入され、痙縮の一般的な治療法として普及している。国内ではようやく今月から、重度の痙縮の治療法として健康保険が適用され、約170万円のポンプや薬剤が使えるようになった。
国内の臨床試験は、脊髄損傷や脊髄血管障害、脳性マヒ、頭部外傷などで、重度の痙縮に悩まされる25人を対象に行われた。その結果、24人の下肢の痙縮が軽くなるなど、高い改善効果が認められた。
2012年現在東京女子医より。
薬剤は約3か月に1度、腹部に注射針を刺してポンプに注入する。1日の投与量などは、医師が操作するパソコン型の端末から、ポンプに電波を送って調整できる。ただ、電池寿命のため、5年~7年に一度、手術でポンプを交換する必要がある。 脳神経外科と整形外科が治療の窓口になるが、治療を行う医師は、講習会の受講が義務づけられている。 筋肉の緊張や痛みを取ると、リハビリの効果も上がる。今後は、リハビリ科との連携を深めて治療に当たるのが望ましいとされる。
TJ病院T先生の資料が公表されているので参考にされたい。まずはこのページにアクセスし、バクロフェン髄腔内投与療法というPDFファイルを開いてください。